他人には全く役に立たない備忘録です。調べ物、調査中の記事、情報になる前段階のアイデア等が多く含まれます。したがって情報は正確ではありません。

   

2008年10月25日土曜日

都市伝説メモ・殺人者だけが受ける心理テスト

『とある所に3人家族が住んでいた。ある時夫が死に、妻は葬儀の参列者の男に一目惚れした。数日後、妻は自分の息子を殺害した。それは一体なぜか?』という心理テストに対する解答方法による性格の診断に関する噂。

普通の人間であれば「再婚の際に息子が邪魔になったため」と答えるが、嗜虐嗜好が極端に強い人間は「息子の葬式でもう一度好きな人に会えるため」と答えるという(八百屋お七に由来)。「その証拠に有名凶悪犯である宮﨑勤、麻原彰晃、酒鬼薔薇聖斗などは後者を選んだ」という解説が付くことも。曲がりなりにも精神鑑定として犯罪者に信憑性があまりない手段を使うとは到底考えられず、この話は明らかに都市伝説の域であるといえる。また、この設問自体も誰でも知っているわけではないため、一般的だとはいえない。

桜庭一樹によるライトノベル作品『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(2004年11月発売)にて、「凶悪犯罪者(子殺し)かどうか」を試すために実際にこの心理テストと類似した設問を使用した精神鑑定を行っているシーンがあり、このエピソードが元になっていると思われる事が多い、しかしPS2ソフト『月の光~沈める鐘の殺人~』(2002年5月発売)の初回ロットに封入されていた『犯人からの挑戦状』の裏面にもこれらとほぼ同内容の心理テストが記載されているため、少なくとも2002年以前から現在の形として存在していたと考えられる。

また同会社から発売された同チーム開発のゲーム『夜想曲2』(2001年6月発売)でも同内容の心理テストが、ミステリーチップ機能によって現れる遊び要素として隠されている。この心理テストは攻略本によるとスタッフの一人が考案した物だそうで、もしかするとここが発祥なのかもしれない。ほかに、フロイトの『夢判断』に良く似たエピソードが紹介されている。「夢は無意識の願望充足である」という説を唱えるフロイトに、ある女性患者が自分がみた夢について相談をもちかける。「私は親戚の男の子が亡くなって、葬式をする夢をみました。私はその夢をみて悲しむどころか、うれしくなりました。私は子どもが死ぬことを望んでいるのでしょうか?」。これに対して、フロイトは次のような分析をおこなった。「彼女は知り合いのある男性に恋をしているのだが、彼に会いたいという気持ちを抑圧している。しかし、葬式となれば、人目をはばからずに彼と顔を合わせることができるだろう。葬式の夢は子どもの死を願ったのではなく、彼に会いたいという願望を充足するためのものである。」

テレビ東京のバラエティ番組『やりすぎコージー』の「芸人都市伝説」というコーナーで、ダイノジの大谷ノブヒコがこの都市伝説を語った(2005年10月放送)。千原兄弟の千原ジュニアは後者の答えを語った。ハローバイバイの関暁夫の著書「ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説 信じるか信じないかはあなた次第」には、このテストは宮崎勤が考え出した、と言う説が書いてある。